BALI石日記


後半



「CRAZY LIVE at PURI BAGUS」

プールから上がって部屋に戻りシャワーを浴びていると どこからともなく音楽が聞える。 ラジオでもついているのかと思ったら、 今夜のGAR−YIZのライブのリハーサルの音だった。 「Back in the USSR」が聴こえる。 ああ、なんて豪華な昼下がりなんだろう。

ライブの時間になり、会場に行くとプルメリアの花を髪にさしてくれる。 伊豆田さんはライブの最後までこの花を頭にさしていた。(かわいい) 一番端のテーブルに席をつく。 ライブの前にまた食事。 その時、前の席になったR女子やCちゃんたちとまた「杉ちゃまと私」 「中古レコードの探し方」等のディープな話をする。

そうこうしているうちにライブの始まり。 上田さんのMCのあと「Drive my car」とごきげんな曲で始まる。 ノリのいい曲が続く。 ふと後ろを見ると、里ちゃんがいる。 隣のテーブルの後ろには杉さん。 杉さんの前に座っているYちゃんはすでに石と化している。 (そう言えば昨夜の宴会の時もYちゃんは杉さんの隣で石になってたなぁ) 伊豆田さんの「Let it be」はやはり、格別。聞き入ってしまう。 この日が誕生日だというTさんのために「Birthday」。 Tさんにとって忘れられない誕生日になっただろう。

「Back in the USSR」このあたりから我慢しきれずに次々と立って踊り始める。
渡辺かおるちゃんが登場し「Please Mr. postman」 かおるちゃんの振りを真似てみんなで踊るとかおるちゃんも楽しそうだ。

私達はあぶないキノコでも食べたかのように笑って、踊って、歌っていた。 松尾さんが登場し、
「You're going to lose that girl」
「Ticket to ride」里ちゃんもタンバリンを持って踊っている。
杉さんが登場し、当りは一気にオーバーヒート。
EXILESの時よりも確実に声が出ていない。 みんなで一緒に歌ってください、と。(涙) ちょっと辛いけど杉さんは本当に楽しそうだ。
「Devil in her heart」
杉さんはすぐそれで引き上げ、私達はそれでも狂ったように踊りつづけていた。 ホテルの人も他の外国人のお客さんもステージの前に出てきて一緒に踊った。 かおるちゃんと一緒にツイストしたり里ちゃんとモンキーダンスをしたり。 楽しい、狂ったようなライブ。

アンコールになり「I saw her standing there」
のあと会場の人がエリックカルメンが好きだという事で エリックカルメンの曲。
そのあと松尾さん、杉さんも加わり「Kansas City」
最後に「Twist and Shout」もう杉さんも止まらない。
ステージから降りてもみくちゃにされながら ギターを弾いている。 私達のテンションは上がりっぱなしだ。


高島さんが「今日のライブは終了です。」といっても まだ私達は踊っていた。 「ロマンティック天国」がかかった。 大声でみんなで歌い始める。 ♪Hurry up! Hurry up! Hurry up!〜 薫ちゃんの♪へーい♪っていうタイミングもぴったり。 ああ、なんて愛しいやつら。 「さよならHappy Tears」になってようやく席に付き始めた。 でもみんなそれぞれに歌っている。 私も歌っていたらちょうど私の席から杉さんが座っている席が 正面だ。(ずいぶん遠いけど) 杉さんが手を振ってくれる。振り返すと今度はビールビンを持ってマイク代わりにして シャウトして歌うポーズをしてくれる。(きゃーー!!) 「ぼくのOKUSAN」をみんなで身体を揺らしながら歌うと 杉さんはやさしい顔で見てくれている。ああ、幸せ。 そのうち杉さんが席を立ちシャワー浴びるからっていうジェスチャーをした。 (ああ、そんなことまで気を使ってくれて、嬉しい)

テンションのあがった私達はまだ席にいてだらだらと話していた。 伊豆田さんが帰り際に「盛り上げてくれてありがとう」と言ってくれた。 特に何をしたわけでもなく、こちらの方が楽しませてもらったのに。 ああ、何ていい人なんだろう。。。

部屋に帰ろうと思ったらなにやらプールサイドの方に人気が… 良く見るとプールサイドの東屋に杉さんたちが寝転んで話している。 私達も近くに行って何をするわけでもなく何時間もただそれを見ていた。 ホントにそれだけで十分だった。はぁ〜幸せ。 月が明るくてあまり星が見れなかった。 だけどホントに星がきれいだった。たぶん一生忘れないこの夜。。。。

「ロータスのほとりで」
7月2日(金)


7時起床
昨夜のGAR-YIZのライブの時に上田さんがMCで 「今朝のジョギングに出かける時に見送ってくれた人が 2人いました。明日は一緒に走りましょう」と言ってくれたので Mにゃんは張りきっている。 8時に出発と言うことだったので少し前にフロントの方にMにゃんと 歩いて行くとフロントの手前の芝生にはもうすでに何人かのファンが集まっている。 他にも走るファンがいてちょっと安心。 そうこうしているうちに上田さん、松尾さん、伊豆田さんを始めスタッフが集まってきた。 上田さんは率先してみんなにストレッチを教えてくれる。(うーんいい人だ) ストレッチが終わり、上田さん、松尾さんを先頭にホテルを出発。 私とMにゃんの後ろには伊豆田さん。お話したことがなかったので何を話していいか分からず 「昨夜は遅かったんですか?」と聞くと「2時くらいかな」とそれで会話が終わってしまった。 時々上田さんが運動部のコーチのように先頭から下がってきて、「大丈夫だよねー」と言って 様子を見に来てくれる。

大通りに出るまでヤシの森を抜けて行く。 森の中にポツンポツンと民家があり、仔豚の群れや牛、ヤギ、鶏などが放し飼いにされている。 初めて見る風景にわくわくする。 大通りに出るとまもなくロータスに埋め尽くされた入り江が見える。 桃色のロータスが美しい。 近くの小学校では子供達が物珍しそうに見ているので「Mornin'」と言って手を振ると 恥ずかしげに手を振ってくれる。 町の中心部に来た所でおり返す。 帰りは少し近道をしてホテルに戻る。 約30分ほどのジョギング。本当に気持ち良かった。完璧な朝。

シャワーを浴びて朝食を取りに昨夜のライブ会場であるレストランに向かう。 他の部屋のみんなは食事を取り終えようとしていた。 「おはよう」などとあいさつをしていると後ろの人の気配を感じる。 振り向くとげげっ杉さんだっとたんに石化しつつもあいさつをする。 朝から杉さんと同じ場所にいられるなんてああ、幸せ。 朝から日本にいるときの1日分の食事をとる。自分でびっくりしてしまう。 いっぱいエネルギーを使うからいっぱいエネルギーが取れるんだろう。

そのあと浜辺で最後の日に歌う歌の練習をする。 この歌を知らない人もいるだろうに、みんな一生懸命やってくれる。 嬉しい。東さんが近づいてきた。やばい。このことは一部のスタッフ以外 メンバーにも内緒だった。 なのに「悪いなぁ、俺のために」とすべてを悟ったように去って行った。

朝食を終えて町のスーパーにみんなで買い物に行く。 あまりの暑さにタクシーを使う。タクシーの助手席の前にピカデリーサーカスの ステッカーが貼ってある。そういえばウブドのタクシーにも貼ってあった。 どうやら高島さんが配っているらしい。 スーパーといっても日用品から食料品、バティック、おみやげまで何でもある。 ウブドで1500円したサロンがここでは500円だ。何もかも安い。 調子に乗ってがばがば買い物をしてしまう。(といっても3000円くらい。) ビールとおつまみのプリングルスを買う。両手いっぱいの荷物を抱えていたので スーパーのとなりのレストランに入る。 6人でミーゴレンと、野菜の炒め物等を食べ、飲み物を頼んで一人120円なり。激安。 何度もミーゴレンを食べたけどここのミーゴレンが一番美味しかった。 塩味で強いて言うなら広東風。ああ、もう一度食べたい。
再び、タクシーでホテルに帰る。 帰りにロータスの入り江で止めてもらって写真を取る。本当に美しい。

ホテルに戻るとちょうど杉さんたちが出かけるところだった。 「買い物? 何買ったの?」と話しかけてくれた。きゃーー!! しかし運悪く手に持っていたのは大量のビール。ががーーんっ 「あ、ビール…」というと杉さんは「いいねー」と言って笑って車に乗り込んでいった。

荷物を置いてプールに向かう。 Cちゃんがスキューバダイビングの講習を受けていた。 「面白いよーやってみなよ」と言われて耳抜きをやったことのない私は躊躇するが H嬢とMにゃんがやると言うとので便乗させてもらった。 重りにたえられずよろよろしつつも、慣れてくるとどんどん面白くなってきた。 耳抜きも一発で出来た。プールであれだけ面白いんだから海じゃもっと面白いんだろうぁ…

「ACOUSTIC LIVE ON THE POOLSIDE」

プールから上がりみんなで夕食に出かける事にした。 タクシーを呼んでもらうため、ロビーに向かっていると プールで泳いでいる上田さんと松尾さんを見つけた。 Mにゃんは「ごめん、やっぱり行かない。」と食事に行かずに 残って松尾さんのいるプールに行きたいらしい。 「なんか食べるもの買ってきて」と言って部屋のほうに帰ってしまった。 Mにゃんを残して私達はチャンディダサの町のレストランに向かった。 入り口からどんどん奥に進むと海の見えるテラスに出る。 入り口からは想像できない光景にあぜんとする。 テーブルの下で犬が気持ちよさそうに寝転んでいる。 夕暮れの迫った海岸は本当にきれいだった。

全員が揃いテーブルに座り、思い思いのものをオーダーする。 あっという間にテーブルがお皿でいっぱいになる。 美味しいものを食べていると何を話したかなんて覚えていない。 ただ、笑って、食べて、ただそれだけで満足。 食事も、景色も満点。 Mにゃんのために持ちかえりができるかどうか頼んだが 「TAKE OUT」が通じなかったらしく結局包んでもらえなかった。 しょうがないのでレストランの前にあるスーパーでカップラーメンを 買って帰る。Mにゃん、ごめん。

ホテルにつくとまたプールサイドに人影が見える。 近寄ってみると伊豆田さんがギターケースを持って やってくるところに出くわした。 私達もプールサイドに座っているとホテルの人がマットを出してくれた。 東屋のところにはMにゃんもいる。 「松尾さんと泳げた?」と聞くと結局恥ずかしくてプールに行けずに 海岸を散歩していたらしい。ああ、なんていじらしい。 私達だけ美味しいものを食べておいて、カップラーメンの夕食を食べさせるなんて あまりにもむごすぎる。(だけどスーパーって食事らしいものなにも置いてないんだもの) Mにゃんは「なんでもいいんだー」と言って食べてくれた。

伊豆田さんの引き語りが始まった。 どうやらファンの人のリクエストでギターを持ってきて歌ってくれると言うところだったのだ。 なんてタイミングのいい私達。 曲名とか誰の歌とか無知なのでわからないけど、ここちよい海風と星と月と伊豆田さんの声が あまりにもぴったりで本当に幸福な気分だ。 伊豆田さんは1曲が終わるたびにいろいろとその曲のエピソードや外国のライブハウスで 歌っていた時の話をしてくれる。 「マイク無しで歌うなんてデビュー前にアメリカのライブハウスで歌って以来だよ」と少し 照れながら曲を進めてくれる。

時々杉さんや松尾さんがやってきてはしばらく聴き、そしてまた立ち去って行ったりしていた。 里ちゃんがやって来た。 里ちゃんは私達の回りを歩き回り物色している。 どうやらなにか「叩くもの」を探しているようだ。 私はふとCMを思い出し、目の前にあるプリングルスの容器を差し出した。 里ちゃんはあちこち叩いてみてそして私の横に座り伊豆田さんのギターに合わせて プリングルスを叩き始めた。 たかがプリングルスの容器がそのためにあったかのような音色を出している。 「信じられない!!」

途中で休憩をしながら結局1時間あまり歌ってれただろうか。 本当に溶けてしまいたいくらい気持ちよかった。 ずいぶん眠くなったので部屋に戻る事にする。 ちょうど洗面所から出てきた伊豆田さんに会う。 「ありがとうございました。よかったです。」 そうしたら「聴いてくれてありがとう」と言う。 ああ、なんて人なんだろう、伊豆田さん。 朝の伊豆田さんとは打って変わって饒舌だ。 「どこからきたの?」とか積極的に話しかけてくれる。 「楽しんでくれてありがとう」どうしてこんな言葉が出るんでしょう。 聴かせてもらって、楽しませてもらったのはこっちなのに。

「チャンディダサからクタへ」
7月3日(土)


翌日も8時に集合し、ジョギングに向かう。 昨日よりも少し人数も増えて15〜6人と言ったところか。 昨夜上田さんと松尾さんは寝ずに飲んでいたらしく、それでも ちゃんと朝8時には集合していた。(うーん超人だ) さすがに「途中で抜けちゃうかもしれないから今日は一番後から走ります」 とのこと。先頭は昨夜、毎日走ってるわけじゃなくて上田さんが誘ってくれてるから 走るんだと言っていた伊豆田さんとツアコンの頼りになるこばちゅんこと小林さん。 昨日とは違って少し近道を走る。 ヤシの森を抜け、ロータスの入り江を過ぎて町の中心のスーパーで降り返し。 昨日はここでしばらく休んだのだが今日は上田さんが 「みんな(荷物の)パッキングしなきゃいけないからすぐ帰りましょう」 なんかその言葉で少し寂しくなる。 帰りの道の景色がすべていとおしく思える。 帰らなきゃいけないんだね。。。。

ホテルに帰ってシャワーを浴びて食事に出かける。 ほとんどみんな食事が終わっていたようだった。 HAKOちゃんや事務所の人達が座っているテーブル
の前にYちゃんとMちゃんが いたので同席する。バイキングで食事をとって帰ってきたら さっきまでHAKOちゃんたちがいた席に上田さんと松尾さんがいた。 Mにゃんはもうすでに石と化している。 「ふりむけないよー」というMにゃんに「直視できないよー」というYちゃん。 そうこうしているうちに杉さんがやってきてまたその席に座った。 今度は私が石になる。 だけど杉さんはサングラスをしている。 どうしたんだろう、目がはれちゃってるのかなぁ。。。 だけど振り向くことも出来ず、緊張したまま食事をとる。 結局、杉さんたちは私達よりも早く食事を終えて出て行ってしまった。 風邪、大丈夫なのかなぁ。。。。

荷物を慌ててパッキングして楽しかったチャンディダサのこのホテルともお別れ。 本当に居心地良くて、バカみたいに騒いで笑って、楽園みたいなところだった。

バスに乗りこみ約2時間でデンバサールのショッピングセンターに到着する。 いきなり、ブランド物の店が建ち並びおしゃれなショッピングセンターに少し ギャップを感じる。結局何も買い物をせず、お昼を取ってうだうだしゃべっている。 ここでもこりずにミーゴレンを注文する私であった。 (ここのミーゴレンは大きなえびなんかが乗ってあり、豪華だった。)

そうこうしているうちにバスの時間になり、一路クタへ向かう。 着いたのはSandi Phili Beach Resortというところ。ここでこれからPiccadilly Circusのライブがある。

休憩のために取ってくれた部屋に向かおうとすると ロッジのベランダから松尾さんがギターを弾きながら迎えてくれる。 集合時間までまだ1時間以上もある。 だけど私は街には出ずにそのロッジを歩いてみる事にする。 木陰では東さんと哲ちゃんがギターの練習をしている。 ああ、この光景を見ているだけで幸せだ。 海岸のほうに行ってみる。 きらきらと輝く浜辺がきれいだ。

海岸のテラスの前にステージが出来ていて伊豆田さんが音合わせをしていた。 こんな小さなステージで私達のためだけにやってくれる。 すごく贅沢な気分になる。ああ、帰りたくない。

テラスでビールを飲んでいたブラジル人のサーファーに声をかけられる。 「あいつらは何者だ」と聞くので「日本のミュージシャンだ」というと 「有名なのか」と言う。「とても有名だ、覚えておいたほうがいいよ」 と答えてやった。ウソじゃないもん。 テラスで里ちゃんが食事を取っていた。 「二日酔いでこれが今日初めての飯だよー」と言っている。 みんな飲んで、騒いで楽しんだんだろう。 お祭りみたいな1週間だった。こんなに楽しい1週間がいままであっただろうか? 渡辺かおるちゃんがビールを飲んでいたので写真を撮ってもらう。 彼女も最初はあまり交流がなかったけれどあのバカみたいに騒いだ GAR-YIZのライブからすごく近くに感じ始めた。

高島さんが「これから秘密のリハーサルをするからここからちょっと出てて」と言うので その場を出てプールサイドのほうに行く。 みんなでライブハウスの前に集まっているようにドキドキしながら待つ。

さあ、ライブだ!!

「Live at Kuta」

ライブの前に食事をとり、ステージの横ではインドネシア舞踊が始まる。 踊っている女の人が1テーブルから1人づつ選んで一緒に踊る。 それなりにみんならしく踊っている。 お祭りみたいだ。

7時も過ぎた頃、杉さんたちが登場。 「この前の敗者復活戦と思ったんですがますます風邪が悪化してるけど  やります。またまたみなさん、一緒に歌ってね」 という杉さん。もうその声がかすれている。
「ロータスのほとりで」
ああ、悲しいくらいかすれている杉さんの声。 楽しそうに歌っているけどなんだか切なくなる。
「Hide Away」
Ubudの最後の朝に見に行った「Hide Away」が浮かぶ。 残念ながらそのとき入道雲は出ていなかったけれどとてもおだやかで 優しい空間を持ったその場所はこの歌のイメージ通りだ。 「ここで10日くらいすごしたときはこっちのお正月で  もう、どこにも出かけられなくてずっと外にも出ずに  過ごしたんだ」って何日か前に宴会の時に話してくれた。  何にもしなくてもいい空間、そんな場所だ。 「歌わなきゃ、元気なのにね。歌わなきゃいけないのにね。」 しゃべってる声は大丈夫なんだけど歌うとやっぱり辛そうだ。
「太陽が知っている」
本当に声が出てなくて「はっ!!」とか「え〜いっ!!」って掛け声で ごまかしているように思えてどんどん辛くなる。 みんなで一生懸命一緒に歌う。

上田さん、伊豆田さんが加わってここからがPiccadilly Circusのライブ。 「これもみんな一緒に歌ってチョ」
「21st Century Man」
途中で伊豆田さんのピアノの音が出なくなってしまうハプニングはある。 MCは昨日のプールサイドライブの話。 伊豆田さんはここでも「昨夜は楽しんじゃってごめんなさい」。 ああ、なんて人なんでしょう…(感涙)

「Darlin'」
ピアノのトラブルは続くけれどコンセントを変えてなんとか大丈夫になる。 伊豆田さんの優しい声が暗くなってきたあたりに広がる。
「愛はタイムマシーン」
「これから帰ってこの曲を聞くと今日のこの時間にもどれちゃうかもよ」 とおちゃめに言う杉さん。少しこの曲が特別に聞える。

「Dreamer」
松尾さんの犬っぽいので髪型が「Dreamer」じゃなくて「トリマー」… 「歌うのダメだからこんなので頑張らないと…こんなんじゃだめだけどね…とほほ…(泣)」 会場から「ガンバレー」という声が上がる。 松尾さんがバロンに似ているという話。「バロンは正義の味方だから良いんだよ」と まんざらでもない松尾さん。 今朝のジョギングの話。「そんな身体に悪い事しちゃいけないよー」という杉さん。

「Never Cry Butterfly」
新しい泳ぎ「Never Cry Butterfly」の説明。 妖精泳ぎ、臨死体験泳ぎに続く泳法…
「Dry Season」
今まで「イモ虫」というタイトルだったこの歌がやっと成長して 「Dry Season−乾季−」というタイトルになった。 Ubudの極彩色のお菓子が並ぶ市場のイメージ。
「最後の曲になってしまいました」というとみんなからブーイングが起こる。 確かに短すぎる。なんだか寂しい。
「Baby it's all right」
みんなの振りを見て横にいた渡辺かおるちゃんも同じように踊ってくれる。 そのうち杉さんもギターを弾くのをやめて踊ってくれる。みんなのテンションが上がる!! 「どうもっテレマカシーッ!!」

アンコールはEXILESのライブでもやったBrian Setzerの「Sleepwalk」 哲さんのソロ。 今まで哲さんは東さんの後ろにいて見えづらかったのにこの時ばかりは 水を得た魚のように前にでて気持ちよさそうにギターを弾いている。 ホントにギターが好きなんだな−というのがすごく伝わってくる。 つづいて「Let's live it up」本当にごきげんな曲だ。
しっかり楽しもう!
あきらめるなんて考えたこともないだろ
さあ、しっかり気楽に遊んで暮らそうぜ!
しっかり楽しもう!
気楽に遊んで暮らそうぜ!
杉さんの声は相変わらずだけどとても楽しそうだ。
楽しい、楽しい、楽しい。
このままずっとこの曲が終わらなければいいのに。

杉さんだけがステージに残り「あと1曲だけやります。」と言って
「君と浜辺を」
みんなその場に座り込んで杉さんの歌を聴く。 本当に辛そうだけど杉さんが何を伝えたいかがとても強く伝わってくる。 杉さんの声が出ない分、みんなで大きな声で歌う。 何かが繋がっている、そんな気がする。

遠いいつの日にか生まれ変わっても君とこの浜辺を歩きたいよ

最後の曲が終わってしまった

「Asian Paradise」

ライブが終わると杉さんが一人一人にプレゼントを渡してくれる。 みんながプレゼントを受け取る瞬間を撮ろうとフィルムを替えていると ネガがからまって上手く入らない。 そうこうしているうちに私の名前が呼ばれた。 「大丈夫、とってあげるから…」みんなはそう言ってくれるけど 私はみんなの写真が撮りたいのだ。 半泣きのまま杉さんの前に行く。 何か話したいのだけど頭はさっきのフィルムのことで パニックのままで一言も浮かんでこない。 「ありがとね、遠くから来てくれて。また来てね。」 何が何だかわからずに「ありがとうございます」と言って 頭を下げる。 ああ、私の前にいるのは杉さんなのに。 どうして何も言えないんだろう。

みんながいろんなポーズを取ったりしているのをカメラに収めながら 頭の中は真っ白になってくる。 みんなとても楽しそうなのにどうして自分はこんなに混乱しているんだろう。

プレゼントの受け渡しが終わっていよいよ、私たちから杉さんを始め メンバーの方へのプレゼントをする時になった。たくさんの幸せをもらったおかえしに、今度は私たちが私たちの意思で何かお返しをする。

杉さんにステージの前に座ってもらって今度は私たちがステージに上る。 H嬢があいさつをする。 「みなさん緊張してますねー。杉さんを始め、みなさんステキな旅をありがとうございました。」 そして色紙をプレゼントする。みんなで寄せ書きをした色紙だ。 「杉さんがいたから私たちはここに来れたんだと思います。 人生のこの瞬間にこのメンバーでいられたことを感謝します。 私はこの歌を杉さんに、他の人は好きなメンバーにこの歌をささげます。」 この言葉の中にたくさんの意味が含まれている。 ここまで来る間にたくさんの障害をH嬢とAちゃんは乗り越えてきた。 本当に感謝。 「Asian Paradise」この歌を知らない人もたくさんいて ここまでくるにはとてもたくさんの人達の理解を必要とした。 MDを聞きながら一生懸命覚えてくれてバスの中で練習したり、 浜辺で練習したり、泣いたり、笑ったり。

イントロが流れてさぁ、という時に 「あ、あの突然ですけどあれじゃない?こういうテープで歌うより  僕らの…せっかくだから…この曲練習してたんだー」 松尾さんが突然言葉を発した。 その時点で私はもう大声を出して泣いていた。 同じ部屋どうしで1フレーズづつ歌う事になっているが 私と一緒に歌うMにゃんはこの歌を知らなくて不安げだ。 私がしっかりしなくちゃ。ちゃんと歌わなくちゃ。泣いてちゃいけない。 ちゃんとプレゼントするんだ。そう思って一生懸命なくのを辞める。
♪夢と果物かごにのせて 君はどこへ行くの 恵みの雨とひざし浴びた美しい人よ♪
ウブドの街の状景が浮かぶ。この歌のままだ。

私たちは自分のパートが終わった後、後ろに下がって松尾さんとさとちゃんの 横で歌っていた。 さとちゃんも松尾さんも本当に優しい顔で演奏してくれている。 ひとつだな…・そう思った。
You should love someone beside you, you know someone cares about you
この言葉が痛いほど実感できる。

「テレマカシー」(ありがとう)そう言っている杉さんの目も少し潤んでいるように見える。 「サマサマー」(どういたしまして)私たちが叫ぶ。バンザーイッ 「ホントにありがとう。嬉しくて肺結核になりそうです(笑)  この曲はここで生まれてみんながバリ島に納めてくれたように思います。みんなといっしょにこれからいろんな冒険をして行きたいと思います。みんながいるから暖かい気持ちになれます。」 そんなふうに言ってくれて本当に嬉しい。 たくさんの幸せをもらって何も返す事は出来ないけど少しでもこの気持ちが伝わったのなら…

そして旅の終わりを告げる説明が始まった。


「HUG×2」

楽しかったバリツアーも終了です。名残惜しいとは思いますが、あと30分ほどで出発です。」 ツアコンの小林さんが説明をしている。 だけど私はまだ混乱している。 これから何をすべきなのか、どこへ行くべきなのか、分からない。30分…

私の頭に浮かんだのは「Piccadilly Circus」のCDだった。 来れなかった友達のために私ができる事はみんなのサインを貰う事くらいしかなかった。 サインが頼めなかったメンバーにはスタッフのSさんに頼んでもらったりもした。 杉さんに最後にしてもらおうとジャケットの表紙を空けていた。 杉さんにサインをしてもらわなきゃ何の意味もない。 私はCDを持って杉さんのところに行った。 みんなに囲まれていたけれど思いきって頼んだ。 「暗いから何書いてるか見えないよ」 と言って杉さんは明かりの下へ持っていってそれを書いてくれた。 「間違えたから特別ね」と言っていたずらっぽく笑った。 かわいいイラストが書かれていて、私が頼んだ名前とは少し呼び方が違う名前が そこには書かれてあった。杉さんはちゃんと分かってるんだ。

CDを自分の荷物を入れに席に戻ってもう一度杉さんのほうを見ると Hちゃんと杉さんがハグをしていた。 「杉さんに私のパワーをあげたかったんだー」と彼女は言った。 私はまた混乱していた。 私には杉さんにあげるパワーなんてない。 こんなにも幸せにしてもらったのに私は何もしてあげられない。 どんどん悲しくなって涙が出てきた。 自分の不甲斐なさが悔しくて、情けない気持ちで一杯だった。

みんなは次々とハグをしている。 私はそれを見ているのが精一杯だった。 杉さんにあげるパワーどころか、私には杉さんに近づく一歩さえ踏み出せない。 どうして私はこんなに情けない奴なんだろう… そう思っていたら杉さんと目が合った。 ストップモーションみたいに杉さんが近づいてきた。 私はその瞬間から何が起こったか分からなかった。 気がつくと杉さんの肩で子供みたいに大きな声を出して泣いていた。 「遠いところから来てくれてありがとう」 たぶんそんな事を言ってくれたんだと思う。 だけど何が何だか本当に覚えていない。 頭の中は真っ白だ。

ふと後ろを見るとさっきの私みたいに一歩を踏み出せないMちゃんがいた。 私はMちゃんの腕を引っ張り杉さんの前に押し出した。 Mちゃんは杉さんの腕の中で本当に幸せそうだった。 さっきまでの情けない自分が少し薄らいだ。 よかった。

「早くしてくださーい」 小林さんの声が響く。 着替えもしなくちゃいけない。荷物も詰めなきゃ行けない。 私はまた混乱してきた。頭が追いついて行かない。 後ろ髪を引かれる思いで着替えのための部屋に行く。 せかされるようにパッキングを終え、バスに乗り込む。 席に着いて一息つき、さっきの杉さんからもらったプレゼントをあけてみる。 ウェルカムパーティのときに撮ってもらった写真がスタンドとともに入ってあった。 杉さんと私が並んで写っている。 笑っている。 あんなに緊張していたと思うのに笑っていた。 私もちゃんと笑えてたんだ。 よかった。

しばらくして上田さんがバスに見送りに来てくれた。 上田さんのイメージはこの旅行で180度変わった。 本当に本当に優しい人だ。 そして杉さんもやって来た。 「私、ハグしてもらってない」とAちゃんは言った。 いろんなことで飛びまわっていたAちゃんには本当に感謝。 なのに、自分の事となるとニの次、三の次で本当に申し訳なかった。 でも、杉さんとハグしている彼女を見て、なんだかとても嬉しかった。

バスが動き始める みんなが手を振って見送ってくれる。 ただ私は手を振っていた。それが精一杯だった。


「太陽が知っている」

 

空港についてツアコンの小林さんの話は聞いているものの頭の中には入ってこない。 「どうしたの?恐い顔して」とYちゃんが声をかけてきてくれた。 「あ、考え事してたから」とは言ってみたものの何を考えているんだろう。 税関をぬけてきらびやかで強い香水の匂いの漂うデューティフリーショップを奥へ進む。 どこの空港へ行ってもこの空間だけは変わりがない。 本当にここはバリなんだろうか? 何だかよく分からなくなってきた。やっと見つけたジュースバーでバニラシェイクを飲む。 一息ついたもののその後がため息に変わる。 「終わっちゃったんだね」そう口にするとまたため息が出る。

搭乗口の方に向かっていると高島さんに会った。 「同じ飛行機で帰るんですか?」と尋ねると「別のところへ行くんだ。」と言っていた。 結局どこへ行くかは教えてくれなかったけれどもアジアンパラダイスの イベントの打ち合わせに行くと言うことだった。 高島さんは次へ、次へと進んでるんだ。

高島さんと別れ搭乗口から機内へと乗りこむ。 相変わらず頭の中は混乱している。 一人が嫌いな私が珍しく誰とも話したくなかった。 隣の席はツアー中一度も話した事のないMさんだったので申し訳ないけど 少しほっとした。 今、誰かとバリの話をできる状況じゃなかった。 席に着いてしばらく目を閉じていると知らず知らずのうちに眠ってしまっていた。

「寝てるとこ、ごめんなさい」と言って起こされた。 隣のMさんがトイレに行くから通して欲しいと言うことだった。 「ああ、すっかり寝ちゃってて…」と返事をしてMさんを通してあげ、ふと窓の外を見た。 そこには今まで見たことのない光景があった。 真っ白い雲の波から日が昇る一瞬だった。 なんてタイミングなんだろう。私は窓に貼りついてそれを見た。 厚い雲の間からまぶしいほどの光が射している。 それを見て本当に嬉しい気分になった。

バリに行く前、私は吐き気がしそうなくらいのたくさんの悩みとストレスを抱えていた。 眠れなかったり、ご飯が食べれなかったり、あのままだったらどうなっていただろう。 だけど私は「バリに行けば何か変わる」と呪文のように唱えつづけていた。 バリから帰って日常に戻り何が変わったのだろうか? 悩みは何一つ解決したわけではない。 だけど1つだけ言えるのは悩む事と考える事を私は取り違えていた。 私の悩みのほとんどが分けの分からない不安だったり、 どうする事もできない人の心だったのだ。 考えても考えても答えが出る問題じゃなかった。 バリにいる間悩む事を忘れていた。 いっぱい笑って、いっぱい歌って、いっぱい踊って、いっぱい泣いた。 時間に追われる日常の中であのバリでの一週間は夢のようだった。 私の頭は真っ白のままだった。

だけど雲の合間の太陽を見てなぜか私も「進める」と感じた。 嬉しかった。真っ白だった私の頭の中にもあの光が射しているような気がした。
♪微笑んでみよう 明日の行方だったら 太陽が知っている♪
眉間にしわを寄せているよりも笑っている方が不安も消えるかもしれない。 どうする事もできないと思っていた人の心も変わるかもしれない。 そんな気がする。

杉さんとあんなに近くで会えて、そして幸せな気持ちをもらった。 それだけでも十分なのに私はバリに行ってそれ以上のものをたくさん得る事ができた。 自分の気持ちの変化ももちろんだけど、たくさんの優しさを感じた。

いつも一緒にいてくれたMにゃん、みんなをまとめてステキな段取りをしてくれた HちゃんとAちゃん、杉さんの横に私を引っ張り出してくれたPちゃん、ライブの時に いつも横にいてくれたAちゃん、Kちゃん、濃いぃ話をしてくれたRちゃんとCちゃん、 フィルムをゆずってくれたKちゃん、Mちゃん、Yちゃん、Tちゃん、Kちゃん、Iちゃん、 「インドネシア料理なんか嫌いだーっ」と叫びながらステキなお餞別を作ってくれたYさん、 杉さんと話すきっかけを作ってくれたS兄、お迎えに便乗させてくれたJさん、私の宝物を 留守の間守ってくれたBちゃん、Dream Landのスタッフ、ツアコンの小林さん、 そしてもちろん杉さん、メンバーの方々、書ききれないけどホントにホントにありがとう。 ありったけの感謝と愛を贈ります。

長い間こんな拙くて、自己満足な日記を読んでくれてありがとう。 記憶があやふやな部分もあったりして事実と違う部分もあるかもしれません。 その点はご了承ください。


*杉さんとメンバーへの歌のプレゼントは参加者の意思で行ったものであり、 ドリームランドとは関係ありません。

                                                               Thanks to Cafe's YOSHI & My Soulmates
with Hugs & Kisses!
                                          Written by nia